お手本を3〜5個、「近い・幅広い・区切る」で
お手本を少しだけ見せて、同じように答えてもらう方法を、専門用語で「few-shot(フューショット)」と呼びます。
Anthropicは、これで正確さと安定感が上がるとしています。お手本は、次の3つの条件を満たすように、というのが公式の指針です [A1]。
- 近い:実際に使う場面とよく似ている
- 幅広い:変わったケースも含め、AIに余計なパターンを覚えさせない
- 区切る:「<example>」のような目印で囲み、指示と見分けがつくようにする
数は3〜5個が目安です。お手本の出来をAI自身にチェックさせたり、追加のお手本をAIに作らせたりする使い方も紹介されています [A1]。
他社も同じ方向です。
OpenAIは「幅広いパターンの入力と、望ましい出力を見せる」ことを勧め、口コミの好き嫌いを判定させる例を公式に載せています [O1]。
Googleは、プロンプトには常にお手本を入れることを推奨しています [G1]。
区切り方のコツ:目印でも見出しでも
Anthropicは、「<instructions>」「<document>」のような目印(タグ)で、指示・資料・お手本・入力データを分けることを勧めています。
目印の名前はわかりやすく、毎回そろえます。複数の資料を渡すときは、大きな目印の中に小さな目印を入れる形にします [A1]。
OpenAIは、見出しや箇条書きの書き方(Markdown)と、タグの両方を併用することを勧めています。
指示文は、「役割」「やること」「お手本」「参考資料」の順に書くのが一般的です。ただし、最適な順番はモデルによって変わる、とも書かれています [O1]。
長い資料は、先か後か
ここは、会社によって説明が違うので注意が必要です。
- Anthropic:2万トークン(文字数にして数万字ほど)以上の長い資料は、質問や指示より前の、先頭に置くと、どのモデルでも結果がよくなるとしています。質問を最後に置くと、複数の資料を扱う複雑な場面で、品質が最大30%上がったという自社のテスト結果も載っています [A1]。さらに「まず関連する部分を引用させてから、答えさせる」ことも勧めています [A1]。
- OpenAI:参考資料は、毎回内容が変わる部分なので、指示文の最後のほうに置くのが一般に良いとしています [O1]。
注記:一見、食い違っているように見えますが、理由が別です。
Anthropicは「長い資料の後に質問を置くと、AIの理解が上がる」という話、
OpenAIは「毎回変わる情報を後ろに置く」という運用
(同じ前置きを使い回すことで、処理を速く安くする仕組みが効きやすい)を含む話です。
どちらのAIを使う場合も、自分の用途で順番を入れ替えて試すのが確実です。
お手本を置く場所にも、揺れがある
OpenAIの公式ガイドでは、お手本は通常、開発者がAIに与える基本指示(developerメッセージ)の中に入れるとされています [O1]。
一方、同社の別のページ(プロンプトの概要)では、全体の雰囲気や役割は基本指示に、その仕事ごとの細かい内容やお手本は、ユーザーのメッセージに置くと説明されています [O2]。
注記:どちらも公式の説明ですが、推奨が一致していません。
システムを作って使う場合は、両方を試して比べるのが無難です。
参照元
[A1] Anthropic, Prompting best practices — https://platform.claude.com/docs/en/build-with-claude/prompt-engineering/claude-prompting-best-practices
[O1] OpenAI, Prompt engineering — https://developers.openai.com/api/docs/guides/prompt-engineering
[O2] OpenAI, Prompting(概要) — https://developers.openai.com/api/docs/guides/prompting.md
[G1] Google, Prompt design strategies (Gemini API) — https://ai.google.dev/gemini-api/docs/prompting-strategies.md.txt

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