OSSの定義
経済産業省の資料は、OSSを「ソフトウェアのソースコードが公開され、利用や改変、再配布を行うことが、誰に対しても許可されているソフトウェア」と説明しています。
OSSの考え方は、世界中の利用者がソースコードを共有の知的財産として扱い、修正や改良を重ねながら、よりよいソフトウェアに磨き上げることだとされています [L6]。
「オープンソース」と名乗るための10条件
OSI(オープンソース・イニシアティブ)という団体が定めた「オープンソースの定義(The Open Source Definition)」は、広く知られた基準です [L1][L6]。
ライセンスが、次の10の条件を満たしてはじめて「オープンソース」と呼ばれます。経済産業省の資料に載っている日本語の一覧を紹介します [L6]。
| 番号 | 条件 | ひとことで言うと |
| 1 | 自由な再配布を認めること | 売っても配ってもよい。 使用料を要求してはいけない [L1]。 |
| 2 | ソースコード | ソースコードを含み、ソースでもコンパイル後の形でも配布できる [L1]。 |
| 3 | 派生物 | 改変やそれをもとにした作品を許し、元と同じ条件で配布できる [L1]。 |
| 4 | 原著作者のソースコードの完全性 | 改変版は、別の名前や別のバージョン番号にするよう求めてもよい [L1]。 |
| 5 | 個人やグループの差別の禁止 | 特定の人や集団を差別しない [L1]。 |
| 6 | 使用分野の差別の禁止 | 特定の分野での使用を禁止してはいけない [L1]。 |
| 7 | ライセンスの配布 | ライセンスの権利が、再配布先にも及ぶ。 |
| 8 | 特定製品への限定の禁止 | 特定の製品に限った許可にしてはいけない。 |
| 9 | 他のソフトウェアを制限しない | 同じ媒体で配る他のソフトにまで、条件を課してはいけない(例:他もすべてオープンソースにせよ、と要求できない) [L1]。 |
| 10 | 技術中立 | 特定の技術やインターフェースを前提にしない。 |
注記:条件7、8、10の「ひとことで言うと」は、経済産業省の日本語の一覧の項目名を
私が平易に言い換えたものです。
OSIの原文のうち、今回確認できたのは条件1、2、3、4、5、6、9の文言です。
この10条件が意味すること
例えば、「個人利用は無料、企業の商用利用は有料」というライセンスは、条件6(使用分野の差別の禁止)に反するためオープンソースとは呼べません [L1]。
また、「ソースコードは見られるが、改変や再配布は禁止」というソフトも、条件2や3に反するためオープンソースではありません。
「ソースが公開されている」ことと「オープンソースである」ことは、同じではないのです。
注記:上の2つの例は、OSIの条件2・3・6を私が具体例に当てはめたものです。
OSIの原文にこの例が書かれているわけではありません。
OSSを使うメリット
経済産業省の資料は、OSSを使うメリットとして次の3つを挙げています [L6]。
- 開発の効率化による、開発費の抑制と開発期間の短縮
- 高い安定性、品質、透明性。ソースコードが公開されているので、不正なプログラムや脆弱性を常に確認できる
- 種類が豊富で、新しい価値の創出やベンダーロックイン(特定の会社の技術に縛られて、乗り換えにくくなること)の回避につながる
発注の前に確認したいこと
- 「OSSです」と言われたとき、具体的なOSSの名前と、ライセンスの名前は何か
- 「無料」と「ライセンス条件を満たしている」を混同していないか
- 「ソースコード公開」と「オープンソース」を混同していないか
注記:この3点は、各資料の内容から私が整理した確認項目です。
資料がこの形のチェックリストを示しているわけではありません。
参照元
[L1] Open Source Initiative, The Open Source Definition — https://opensource.org/osd
[L6] 経済産業省, OSSの利活用及びそのセキュリティ確保に向けた管理手法に関する事例集(令和4年8月1日) — https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/wg1/ossjirei_20220801.pdf

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